【著者インタビュー】ウラジオストクの魅力を在住歴8年の日本人嫁に聞いた!2月にガイドブック発売

【著者インタビュー】ウラジオストクの魅力を在住歴8年の日本人嫁に聞いた!2月にガイドブック発売

2020年末にロシア極東ウラジオストクに移住してきた管理人。素敵な町に多くの日本人に旅行に来てほしいと思って当サイトを立ち上げました。多くの情報を頂くのは在住歴8年の日本人先輩、タムル絵美さんです!

ウラジオストクのことをインスタグラムで発信し続けてける彼女は、集大成となる観光ガイドブック「ロシアに週末トリップ!海辺の街ウラジオストクへ」を2月28日に発売する。オススメ観光コースや飲食店の最新トレンドのほか、新刊に描かれていないロシア人夫との馴れ初めまでを徹底インタビューしました。

アジア人を歓迎

ーー来ロしたきっかけはご結婚ですか?絵美さんから見たウラジオストクはどんな町ですか。

夫とは大学で勉強した中国語の留学先である中国の大学で出会いました。学業を終了してそれぞれの母国で数年間仕事して、結婚を機に2013年にウラジオストクに移住した。14年と17年に娘2人を出産して今に至ります。

最初はロシアは怖くて暗い国ではないかとマイナスなイメージでした。住んでみるとウラジオストクは日本からフライトで2時間で来られるほど近いのに、アジアとまるで違うヨーロッパの街並みが魅力です。料理が美味しいし、物価も安いなど良いことが凝縮されていると感じます。

その魅力を19年からインスタグラムで発信し、300通以上を投稿した昨年の夏にイカロス出版さんから新刊のお話をいただきました。

ーーロシアでは最初、カルチャーショックはなかったですか。

あった!あまり笑わない国民性なので最初は冷たく感じました。ただ外国人だからといって特別視されたことはなかったかも。地理的な近さもあり、ウラジオストクの人はアジア人をとても歓迎しているし、コロナウイルス流行前に韓国やタイに旅行に行くのも大好きでした。

日本人だと分かると喜んでくれ、タクシーの運転手が「トヨタ・ラブ」と言ってくれたこともあった。(笑)街中で走っている車のうち日本車が約8割でしょうか。中古車の仕事で日本に行き来したりするロシア人が結構いました。

夏にアイスコーヒーを飲めなくて戸惑ったことも。ロシア人は基本的に暖かいお茶やコーヒーしか飲まない習慣なので、行きつけの店でアイスコーヒーを無理やりに頼んだところ、ホットコーヒーに氷が3つ入ったぬるいものが出てきてショックでした。

味も当初は酸味のあるコーヒーがほとんどで、日本人が好む苦味のあるコーヒーを探すにはひと苦労でした。でも近年はおしゃれなカフェが続々とオープンして、日本と変わらないコーヒーを楽しめるようになりました。

ーーレストランも増えていますね

海の幸やシベリアの珍味を食べれる質の高いレストランが多く、最新トレンドとしてはフードコートが流行っています。ショッピングモールに入居する従来のフードコートとは違い、空き地だった建物を丸ごとフードコートに改造した施設が人気です。

スポーツ湾海岸通りに近い「コーペラティフ」は、ロシア料理のほか、日本の寿司や焼き鳥、ベトナムのフォー、タイのトムヤムクンなど多国籍料理を食べられます。地下にはバーが集まる「フードコート」という斬新なスタイルも!気軽に入れて、飲み比べもできて週末はクラブのような賑わいです。

会社員の週末旅も可能

ーーガイドブックはすべて、ご自身が行かれた場所ですか。

はい、全部行っていますし、写真もほぼ全て自分で撮りました。ウラジオストク市内を5つのエリアに分けて、エリアごとの歩き方、見どころ、お土産店、カフェ、レストランなどを紹介しています。私の友人が来た時、一緒に行きたいところばかりです。全部で60ヵ所以上。

カフェやレストランは店の移り変わりは激しいこともあり、繁盛して今後も続きそうな店を選びました。長く使ってもらえる1冊だと思います。

ーーオススメの観光コースありますか?

ウラジオストク市内はコンパクトで、日本で働いている方が2泊3日の週末旅でも楽しめます。

1日半あれば町中の主要スポットを歩いて見回れる。残りの時間はサウナ好きならロシア式サウナ「バーニャ」で2~3時間をくつろいで欲しいし、静かに過ごしたい人なら南郊ルースキー島の海辺、子供連れならイルカショーを見れる水族館に行って欲しい。それぞれの好みにあったコースを考える材料になると思います。

ロシア人の日常を体験

ーー日本でもブームですね。ロシア人にとって「バーニャ」はどんな存在ですか。

ロシアはずっと昔からバーニャに行く習慣があります。日本ではサウナが温泉の中にあるのがほとんどですが、ウラジオストクではコテージになっていることが多く、2~3時間貸し切ってお茶を飲みながら楽しめます。

友達や家族と団らんの場として使われる面白さを味わってもらい、温まった体を冷やすために海に入る施設もぜひ体験してもらいたいと思います。

ーーロシア文化を紹介するページを設けているそうですね。

はい、例えば菜園付きセカンドハウス「ダーチャ」もロシア人にとって身近で、ロシア文化の一つ。元々は貧しい時代に自給自足したり、食料品を補うの目的に保有されていたものですが、今は都会の騒音から逃れて静かに週末を過ごす場所に変わっています。

夫の叔母もウラジオストク市内から車で1時間離れた郊外にダーチャを持っています。週末に日帰りで行くのが趣味。電気も水道も通ってない小屋ですが、近くに流れる川から水を汲んで野菜にあげたりしています。私たちもベリーなどの収穫時期に、子供とピクニック気分でお手伝いに行きます。

町中で年中できることとしては、自分だけのマトリョーシカを作る文化体験もあります。

本ではロシア人が好きな朝食やロシアンティーの独特な飲み方、地元の人の冷蔵庫に必ず入っている食材など、ロシアに嫁いだ私だから知るロシア人の生活を紹介しています。